
社内SE(情シス)は、企業のIT環境を支える重要な役割を担っています。
ネットワークやサーバーの管理、業務システムの運用、社内からのITサポートなど、幅広い業務をこなす“縁の下の力持ち”です。
しかし最近、この社内SEから転職を考える人が増えているのをご存じでしょうか?
その背景には、以下のような理由があります。
まずは業務負荷の高さ。
少人数で全社のITを支えるケースが多く、トラブル対応や新しいシステム導入が重なると、残業が続くことも珍しくありません。
次にキャリアの停滞。
最新技術に触れる機会が少なく、スキルアップが難しいと感じる人も多いです。
そして、待遇への不満。
同じIT職でも、開発職やITコンサル職に比べて年収が低めに設定されている企業もあります。
こうした悩みから、「もっと成長できる環境で働きたい」「自分のスキルを活かしたい」と考え、転職を決意する社内SEが増えているのです。
1社目:Sierとして基幹システムの開発に携わる
2社目:メーカーの情シスとして幅広い業務に携わる
3社目:メーカーの情シス(現職)

一般的な見解と、それに対する筆者の見解も交えて記載していきますね。

社内SEが「もう限界」と感じる瞬間とは?
社内SE(情シス)として働く中で、「もう限界だ」と感じる瞬間は誰にでも訪れます。
特に以下のような悩みは、社内SEに共通する課題として多く挙げられています。
■ 社内評価されにくい
社内のIT環境を安定して運用していても「問題が起きていない=仕事していない」と誤解されることがあります。
トラブル対応や改善提案をしても、成果が見えにくく、評価につながりにくいのが現実です。

運用がメインだと経営層や人事には何も伝わらないので、評価されにくいです
■ IT予算が少ない
新しいツールやシステムの導入を提案しても「予算がないから」と却下されるケースが多く、技術的な挑戦ができない環境に不満を感じる人も少なくありません。

会社の業績が悪いとIT予算は承認されない事が多く、挑戦してみたい事もできません
(会社は『失敗を恐れず挑戦しよう!』とか言ってるのに・・・)
■ 孤立感が強い
社内SEは専門職であるため、他部署との連携が難しく、相談できる相手が社内にいないこともあります。
少人数で広範囲の業務をこなすため、精神的な負担が大きくなりがちです。
実際に、ある社内SEの方はこう語っています。
「社内にITを理解してくれる人がいない。トラブル対応はすべて自分任せで、改善提案も通らない。孤独感が強くて、転職を真剣に考えるようになりました。」
このような声は珍しくなく、社内SEという職種の構造的な課題が、転職を決意する大きなきっかけになっているのです。

これは会社によると思いますね
筆者は幅広い部門と関わっていますし、逆にIT以外のことで相談することも多いです
【2社目(社内SE)で転職を決めた理由】
別の退職者が会社に恨みを持ち悪さ(情報漏えいに近い)を行い、その一件から不遇な扱いを受けるようになったからです
転職を決意した理由【体験談ベース】

社内SE(情シス)として働いていたAさん(30代・男性)は、5年間同じ企業でIT業務を担当していました。
ネットワーク管理や社内システムの運用、ヘルプデスク対応など幅広い業務をこなしていましたが、ある時「このままでいいのか?」とキャリアに不安を感じ始めたといいます。
■ キャリアアップを目指したい
社内SEは安定した職種ですが、技術的な成長機会が限られていることも事実です。
Aさんは「最新技術に触れる機会が少なく、このままでは市場価値が上がらない」と感じ、転職を意識するようになりました。

これも会社によるかと
筆者はDXや生成AIなど最新技術に多く触れています
■ 年収・待遇の改善を求めて
同年代のITエンジニアと比べて年収が低く、昇給も緩やかだったAさん。
「責任は重いのに、報われていない」と感じることが増え、待遇面の不満が転職の後押しとなりました。

筆者は優遇されている方だとは思いますが、賞与だけはどうにも
(売上を創出しないので会社全体の業績に連動)

■ 技術力をもっと活かしたかった
社内SEでは保守・運用が中心で、開発や設計などのクリエイティブな業務に関わる機会が少ないのが現実です。
Aさんは「もっと技術力を活かせる仕事がしたい」と強く思うようになりました。

運用保守は必ずついて回るので、クリエイティブな業務との割合は担当業務によるかと
■ 働き方の見直しをしたかった
前職ではフル出社が基本で、柔軟な働き方ができない環境でした。Aさんは「リモートワークやフレックス制度がある企業で、もっと自由な働き方をしたい」と考えるようになったのです。
これらの理由が重なり、Aさんは「今こそ環境を変えるべきだ」と決断。転職活動を本格的にスタートさせました。

これは完全に会社によりますね笑
利用した転職エージェントとその選び方
社内SEとして転職を考えたAさんは、IT業界に強い転職エージェントを活用して、効率的に転職活動を進めました。
■ 転職エージェントを選ぶ3つのポイント
■ 実際に使ってみた感想
Aさんは「複数のエージェントを併用することで視野が広がった」と話しています。
特にレバテックキャリアは、技術スキルにマッチした求人を紹介してくれた点で満足度が高かったそうです。
一方で、「希望と少しズレた求人を紹介されることもあった」とのこと。
担当者との相性や、希望条件の伝え方も転職成功のカギになると実感したそうです。

■ IT系に強いおすすめ転職エージェント

筆者も全て合わせて6社くらいの転職エージェントを使いました
詳しくは以下の記事に記載しています
転職後の変化と満足度

転職を経て新しい職場に移った社内SEのAさんは、働き方・年収・スキル・人間関係のすべてにおいて、ポジティブな変化を実感しています。
■ 働き方の柔軟性が向上
新しい職場ではリモートワークやフレックスタイム制度が導入されており、通勤のストレスがなくなったことで、仕事とプライベートのバランスが取りやすくなりました。
自分のペースで働ける環境が整っていることが、日々の満足度につながっています。

筆者は基本出社ですが、場合によってはリモートワークもOKです
■ 年収・スキルの向上
転職によって年収は約20%アップ。
さらに、最新技術を扱うプロジェクトに参加できるようになり、スキル面でも大きな成長を実感しています。社内SE時代には得られなかった技術的な刺激が、今の職場にはあるといいます。

筆者は
1社目→2社目 年収アップ
2社目→3社目 年収ダウン
でした
■ 人間関係の改善
前職ではITに理解のある人が少なく孤立感を感じていましたが、現在の職場ではエンジニア同士のコミュニケーションが活発で、相談しやすい雰囲気があります。
チームで協力しながら成果を出すことに、やりがいを感じているそうです。

こればっかりは入社してみないとわからないかと・・・
面接の時に質問してみるのもいいですね
■ 転職してよかったと感じた瞬間
Aさんが「転職して本当によかった」と感じたのは、プロジェクトの成果が認められ、チームから感謝された時。
以前は裏方として扱われることが多かったAさんですが、今では「技術で価値を生み出す存在」として評価されるようになりました。

今までなかった新しい技術を取り入れると重宝されます
筆者もSier時代の開発経験が役立ちました
これから転職を考える社内SEへのアドバイス

社内SEとして働く中で、「転職した方がいいかもしれない」と感じる瞬間は誰にでもあります。
そんな時は、焦らずに準備を整えることが成功のカギです。
■ 情報収集から始めよう
まずは、IT業界の転職市場や職種の情報を集めましょう。
社内SEの経験は、ITコンサル、インフラエンジニア、情シス支援企業など、さまざまな分野で活かせます。
転職サイトやエージェントのコラム、SNSなどを活用して、キャリアの選択肢を広げてみてください。
■ 自分の強みを整理する
転職活動を始める前に、自分のスキルや経験を棚卸ししておくことが大切です。
社内SEとして培った「社内調整力」「トラブル対応力」「IT全般の知識」は、他職種でも高く評価される武器になります。
職務経歴書を作成する際にも、強みを明確にしておくと効果的です。
■ エージェントとの相性も重要
転職エージェントを利用する場合は、担当者との相性をしっかり見極めましょう。
希望条件を丁寧に聞いてくれるか、IT業界の知識があるかなどを確認することで、より自分に合った求人を紹介してもらえます。
複数のエージェントを比較するのもおすすめです。

筆者は社内SE採用時の面接官もやっていますので、以下記事の内容を重視しています
面接の際にお役立てください