ここ数年、日本では地震や豪雨、停電といった災害が相次ぎ、防災への意識がますます高まっています。
しかし、「何を備えればいいのかわからない」「ネットの情報が古くて不安」と感じている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、防災士として実際に備え・使用してきた経験をもとに、「買ってよかった!」と実感した防災グッズだけを厳選してご紹介します。
単なる“おすすめリスト”ではなく、実際に使って本当に役立ったリアルな視点でまとめています。
これから防災グッズをそろえる方や、備蓄の見直しを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
防災士が厳選した防災セットあかまる防災
買ってよかった防災グッズを選ぶポイント
防災グッズを選ぶときに大切なのは、「自分に本当に必要なもの」を見極めることです。
便利そうに見えても、使い方が難しかったり、状況に合わなければ役に立ちません。
ここでは、実際に防災士として備えを整えてきた経験から、買って後悔しないためのポイントを4つ紹介します。
用途別に考える

まずは、どんな状況で使うかを想定しましょう。
自宅避難、車中泊、避難所生活など、シーンによって必要なアイテムは変わります。
たとえば、自宅避難なら電源確保やトイレ用品、避難所ならコンパクトで持ち運びやすい寝具類が重要です。
家族構成で選ぶ

家族に乳幼児や高齢者、ペットがいる場合は、それぞれに合った備えが欠かせません。
ミルクやおむつ、持病薬、介護用品、ペット用フードなど、「家族全員が安心できる備え」を意識して選びましょう。
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実際に使えるかチェック

防災グッズは“使える”ことが何より大切です。
購入したら必ず一度使ってみて、操作方法や味、耐久性を確認しましょう。
非常食も「非常時に食べられない味」では意味がありません。実際に試すことで、自分に合った備蓄が見えてきます。
定期的な見直し

備えは一度そろえたら終わりではありません。
食料や水の賞味期限、バッテリーの残量などは年に一度の点検を習慣にしましょう。
季節や家族構成の変化に合わせて、必要なアイテムを入れ替えるのも大切です。
こうしたポイントを押さえることで、防災グッズは「買って満足」ではなく「使って助かる」備えになります。
「【ジャンル別】買ってよかった防災グッズ15選

防災グッズは「量より質」。災害時に本当に役立つのは、“実際に使える”アイテムです。
ここでは、防災士としての経験と実際の使用感をもとに、買ってよかった防災グッズをジャンル別に紹介します。
どれも「備えて安心」「使って納得」のおすすめ品です。
3-1. 【電源・照明系】停電時に本当に役立ったアイテム

停電が続くと、スマホの充電や照明の確保が最大の課題になります。
- モバイルバッテリー(大容量タイプ):スマホ・タブレットを複数回充電可能。ソーラーパネル付きなら長期停電にも対応。
- LEDランタン・ヘッドライト:広範囲を照らせるランタンと、両手が自由になるヘッドライトの併用が理想。
- 手回し充電ラジオ:情報収集+ライト+充電が一体化。電源がなくても安心の万能アイテム。
3-2. 【食料・飲料系】備蓄しておいてよかった非常食

非常時には“慣れた味”が心を落ち着かせてくれます。
- 保存水(長期保存タイプ):5〜10年保存可能なものを常備。飲料だけでなく調理にも使える。
- アルファ米・缶詰パン・栄養補助食品:お湯・水で戻せて簡単。おいしく食べられるか事前試食がおすすめ。
- カセットコンロ+ガスボンベセット:温かい食事ができるだけで心理的安心感が大きく変わる。

3-3. 【衛生・健康系】避難生活を快適にする必需品

衛生管理は健康を守る第一歩。感染症予防にも直結します。
- 携帯トイレ:水道が止まったときの必需品。1人3日分(9〜12回分)が目安。
- ウェットティッシュ・アルコール除菌スプレー:手洗いできない環境で重宝。体拭き用も用意を。
- マスク・簡易歯ブラシセット:感染対策・口腔ケア・乾燥対策に。避難所では特に重要。
3-4. 【防寒・寝具系】寒さ・疲労を防ぐアイテム

体温を守ることは命を守ること。特に冬季災害では防寒がカギです。
- アルミブランケット・寝袋:軽量で保温性抜群。1人1枚は必ず準備。
- エアマット:床の冷気を遮断し、体への負担を軽減。長期避難に効果的。
- カイロ・防寒ポンチョ:電源不要で即暖。特に女性や高齢者におすすめ。
3-5. 【情報・安全系】家族と自分を守るために

いざというとき、情報と安全の確保が生死を分けます。
- ホイッスル・マルチツール:閉じ込めや危険回避に。軽くて首から下げられるタイプが便利。
- 防災アプリ・災害時連絡カード:家族の安否確認や避難情報をスムーズに取得。スマホにアプリを事前登録しておく。
- 防水バッグ・貴重品ケース:現金・通帳・保険証などを水や汚れから守る。

【ジャンル別まとめ表】
ジャンル | 主なアイテム | 特徴・ポイント |
---|---|---|
電源・照明系 | モバイルバッテリー、LEDランタン、手回しラジオ | 停電時の命綱。電源確保と明かりの両立が重要 |
食料・飲料系 | 保存水、アルファ米、カセットコンロ | 栄養・温かさで心身を支える備蓄食を準備 |
衛生・健康系 | 携帯トイレ、除菌シート、マスク | 清潔を保ち、感染・ストレスを防ぐ |
防寒・寝具系 | 寝袋、エアマット、カイロ | 冷えと疲労を防ぎ、体力維持に役立つ |
情報・安全系 | ホイッスル、防災アプリ、防水バッグ | 情報と安全確保が生存率を左右する |
これらの防災グッズは、実際に使ってみて「買ってよかった」と感じたものばかり。
【体験談】実際に使って感じた「これがあって助かった」

防災グッズは「持っているだけ」では意味がありません。
実際に災害時に使ってみて初めて、その真価がわかります。
ここでは、防災士として被災現場や訓練で体験した中から、「本当に助かった」と感じたアイテムと、その理由を紹介します。
防災士が厳選した防災セットあかまる防災
停電時:LEDランタンの明るさで安心感が違った

長時間の停電中、部屋全体を照らすLEDランタンの存在は心の支えになりました。
懐中電灯では一点しか照らせず不安になりますが、ランタンは周囲を明るく照らしてくれ、家族の顔が見えるだけで安心感が増します。
特に暖色モード付きは光が柔らかく、夜間のストレスを軽減してくれました。
水道停止時:携帯トイレが心理的にも救いになった

断水が続いた際に最も困ったのがトイレでした。そんな中で役立ったのが携帯トイレです。
臭いや処理のしやすさが考えられた製品を選んでいたおかげで、衛生的にも精神的にも安心できました。
「我慢せずに使える環境」を整えておくことが、想像以上に大切だと痛感しました。

避難所で:耳栓・アイマスクが睡眠の質を左右した

避難所生活では、照明や周囲の話し声などで思うように眠れないことがあります。
そんなとき、耳栓とアイマスクがあるだけで、眠りの質が大きく変わりました。
睡眠不足は判断力の低下にもつながるため、これらの小さなアイテムが“翌日の安全”を守る鍵になると感じました。
“便利”より“実用”を重視した選び方が大切
実際に使ってみると、カタログ上の機能よりも使いやすさ・安心感・継続利用できるかが重要だとわかります。
「便利そう」「話題だから」ではなく、自分や家族が本当に使えるかどうかを基準に選ぶこと。
これこそが、“買ってよかった防災グッズ”に共通する最大のポイントです。
体験を通して実感したのは、防災グッズは「命を守るツール」であると同時に、「心を守る備え」でもあるということ。
【まとめ】備えは「買って終わり」ではなく「使って確認」が重要
防災グッズは、「買って終わり」ではなく「使って確認」することが何より大切です。
いざというときに確実に使えるようにするためには、「揃える → 試す → 定期点検」というサイクルを習慣化しましょう。
これを続けることで、グッズの故障や消費期限切れを防ぎ、必要なときに本当に役立つ備えになります。
また、2025年の防災トレンドは“スマート防災”。
IoT連携による防災通知アプリや、ソーラー充電対応のバッテリーなど、テクノロジーを活用した備えが進化しています。
こうした新しい防災アイテムを上手に取り入れることで、災害時の安心感をさらに高めることができます。
とはいえ、最初からすべてを完璧にそろえる必要はありません。
まずは「最低限+実際に使えるもの」から始め、少しずつ自分や家族に合った防災環境を整えていくことが重要です。
“備えは一度きりではなく、暮らしの一部”——この意識が、いざというときに命を守る力になります。

