え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?あらすじやオルラビシステム

[アイキャッチ画像は「え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?」1話より引用]

え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?

2024年1月4日に2巻が発売されました

あらすじや見解は改めて追記します

最新刊は↑からebookjapanでおトクに読めます


こんな情シスや社内SEを主人公にした漫画があったんですね

タイトルを見てすぐ読んでしまいました

主人公や冒頭のあらすじ、読んでみての感想や見解を記載していきます

主人公

佐藤愛(28歳)

某大手企業のシステム管理室に勤めている社内SE(情シス)

大学卒業後に「食事」「睡眠」「サブカルチャー」を満たせるホワイト企業として有名な企業「株式会社RaWi」に就職するも、実際は深夜残業なども当たり前で会社に泊まるようなブラック企業だった

自分の心を守るために自作のコスプレで出社するようになる

5年かけて全業務を自動化する社内システム「オルラビシステム」を完成させ、その管理と運用を1人で担っていたが、社長が代わり解雇されてしまう

解雇通達後も後任の事を考え、有給消化を返上して引継やマニュアル作成させてほしいと懇願するなど、人情や責任感が強い

周りの社員からは、優秀なだけじゃなく仲間思いで慕われていた

退職後は幼なじみの鈴木が企業したプログラミングスクールにて働き始め、今までの経験とスキルを活かして受講生を救っていく


1巻のあらすじ

タイトル通り、佐藤が「えっ、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?」と言っているシーンから始まります

「株式会社RaWi」の新しい社長が見学に来た際に「どエロイ感じのサキュバスコス」をしていたことに加え、新社長が掲げる「業務の再構築」の人員整理にリストアップされてしまい、解雇となってしまう佐藤(&その上司)

どエロイ感じのサキュバスコス

「え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?」1巻より引用

新社長曰く「1人で回る仕事など必要ない」

これ腹立ちますね
逆に「これを1人で回せる人がいるんですか?」
と言いたい

上司と一緒に解雇となってしまった佐藤ですが、やけ酒を飲んでやさぐれていた時に幼なじみの鈴木に偶然出会い、同席して飲むことに

鈴木は「オルラビシステム」は芸術品で最高のシステムと評価しており、それを作ったのが佐藤だということを知る

オルラビシステムを作った佐藤が解雇された事を心から悔しがる鈴木ですが、「君が輝ける場所はボクが作る」と、自分が企業したプログラミングスクール『合同会社KTR』に佐藤をスカウトし、佐藤もこれを受諾します

一方、佐藤がいなくなった「株式会社RaWi」では、

  • 同僚が次々と退職(後任の4人のうち2人がすでに退職し、残りの2人も転職活動中)
  • 「オルラビシステム」の運用が回らず会社が混乱
  • 「佐藤愛」を連れ戻せとの声が多数上がる

このような現状を知った新社長ですが、「今まで1人で管理していたシステムだから、2人いれば十分だろう、頑張って管理してくれ」と、増員してほしいという声を一蹴します


2巻のあらすじ

株式会社RaWi

主人公の佐藤を解雇した大手企業です

業務の8割を自動化する最高峰のシステム「オルラビシステム」ですが、開発者である佐藤の後任エンジニア達では管理~運用することができず、全員退職してしまいます

Rawiの社長は佐藤を呼び戻せと指示する傍ら、「スキルさえあれば管理できるだろう」と、世界を股にかけるエンジニアである『神埼央橙』に声をかけ、オルラビシステムを【管理】してほしいと持ちかけます

スキルだけでは社内のシステムは管理できません

しかし神崎は他を当たってくれと、報酬を聞く前にこれを一蹴

「え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?」2巻より引用

他のエンジニアと同様に【管理】を依頼された事が癪に障ったのではないでしょうか

管理:システムを今のまま問題なく運用できるようにする事(ヘルプデスクや不具合改修など)

オルラビシステムを改修して飛躍的に向上させてほしいなど、もっとクリエイティブな依頼であればまた違ったかもしれませんね

合同会社KTR

幼なじみの鈴木が企業したプログラミングスクールで、佐藤愛の現在の勤務先です

母親の為にもっと給与がいいところに転職したいという30歳男性「洙田」が訪れますが、プログラマとして高い給与を得たいと思っているにも関わらず、知識も技術もなく、それを得ようと努力も全くしていないことから、鈴木は「未経験者はNGだと」洙田を一蹴します

その様子を見ていた佐藤が洙田の心情を理解し、鈴木に猛反発する・・・といった感じです


2巻の感想

「え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?」2巻より引用

このように思っている経営者は多いと思います

代わりなんていくらでもいるから、すぐ他の人を採用すればいいと・・・

新しい人を雇っても、前任者と同じレベルになるまでは1年以上かかります(システムの内部仕様や構造だけでなく、現場でどのように運用されているかなど、幅広く把握しなければならない為)

正直、新しい社員が来ても数ヶ月は十分に任せられませんし、社内システムに問題が起きたら構っているヒマはありません

2巻もプログラミングスクールでのお話がメインの為、もうちょっと情シスとしてのお話が欲しいかな、と思いました


筆者(同業)の見解

読んでみると、情シスや社内SEなら通じるものがあるだろう、という部分が多数ありました

それに対しての筆者の見解です

システムの運用

新社長は今まで1人で管理していたシステム運用に新たに4人配属しましたが、これでも全く運用が回っていませんでした(ちなみにシステム運用部門からは最低8人必要と懇願されていました)

ではその原因とは?

システムを正しく運用するには
  1. 内部仕様やロジックの把握
  2. 実業務(利用部門の運用)とシステムの関連性の把握

最低でもこの2つを理解していないと難しいかと思います

これらが全くわかっていないと、

エラーになって先に進めないんだけど

ここをこうなるように変更してほしいんだけど

という問合せや要望に対応できません

社外製のシステムならメーカーのサポートに問合せするといった事ができますが、今回の「オルラビシステム」は完全に社内で開発したシステムであり、自分たちで解決するしかありません

「マニュアル」や「設計書」などのドキュメントがあればまだいいですが、ない場合は手探りで原因となっている箇所や解決手段を見つけていく事になります

場合によっては内部のソースを追ってデバッグをしながら・・・という作業になっていくので、膨大な時間がかかります

これが取引先にまで影響してしまう内容であったり、全社に影響が出てしまうような内容だったらもう大変です

失敗したら一大事・・・

おそらく後任のエンジニア達は「オルラビシステム」の内部を理解しておらず、このような対応に追われていて、

  • 1件あたりの対応に膨大な時間がかかっていた
  • 解決できず、利用部門から叱責されていた

という事態に陥り、退職や増員の切望をしていたのでしょう

ちなみに、経営層にこのような事態を伝えたとしても、解決しない事がほとんどです

だって何がどう大変なのかわかってないんですから・・・


技術者の軽視

「株式会社RaWi」は昔から技術者を軽視する傾向があったというセリフがあります
 

はい、弊社もです

やはり重視されるのは、他社にはない「アイデア」や「閃き」を創出する企画部門や戦略部門です(要は会社に利益をもたらすきっかけとなる部門)
 

社内SE やエンジニアといった技術者は、企画部門や戦略部門の言ったことを実現しただけ、と見られてしまうことも多々あります

にもかかわらず、クレームがあったりなにか問題が発生した場合はその責任を負わされます

成功した時は企画~戦略部門が評価され、失敗した時は技術者が責任とらされる

なんなんでしょうねこれ

そりゃモチベーションも上がりませんよ


まとめ

ちょっと主旨が変わって愚痴っぽくなってきたので話を戻します

「えっ、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?」について記載してきましたが、情シスや社内SEの方々はぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか?

共感できる部分が多数あると思います

どっちかというと経営層の方に読んでほしいですけど・・・

↑からebookjapanでおトクに読めます

情シスや社内SEとして悪戦苦闘していくのではなく、プログラミングスクールに転職しちゃうのはちょっと残念でしたが、その後もソースの整理の仕方であったり、要所要所で通じる部分も多いです

佐藤がいなくなった「株式会社RaWi」が今後どうなっていくのかも楽しみですね

現実だと、いなくなっても会社はちゃんと回っていくんですよね・・・

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